再生医療におけるPRGFその2|名古屋の歯科医院・テルミナ歯科クリニック

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中部経済新聞掲載 インプラントコラム

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医療法人エルザ会 テルミナ歯科クリニック

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再生医療におけるPRGFその2~自己血液血小板から多増殖因子血漿を獲得~ 医)エルザ会 テルミナ歯科クリニック 副院長 鳥村亜矢

10月のコラムにおいて、PRGFがどういうものかについてお話をしました。
PRGFとはプラズマ・リッチ・グロース・ファクター(多増殖因子血漿)の頭文字を取った名前ですが、今回はグロース・ファクターとはどんな機能を持っているかについてお話しします。
まず一つ目として、間葉系幹細胞から骨芽細胞を誘導する働きの「骨誘導能」と、骨が沈着する足場を造る働きの「骨伝導能」による骨形成の促進があります。二つ目は毛細血管を多く作り、骨や歯周組織などの増殖を促進する血管形成の機能です。
グロース・ファクターが多く含まれているPRGFを行うことによって、(1)血管新生の増進(2)細胞遊走を刺激(3)分芽増殖の増大(4)痛みと炎症の軽減(5)増殖因子の分泌促進といった5つの効果も期待できます。
PRGFは、患者さん自身の血液を採取して作成される自己由来製剤なので、適合が合わず拒否反応が起こるといった心配はありません。さらに静菌効果にも優れ、処置後4時間が特に著明であると報告されています。
また、骨を再生する場合は、再生因子を補填材と一緒に填入した方が良い結果が得られます。
骨を作る足場として一番の材料は自家骨ですが、採取できる自家骨が少ない場合は、人工骨に、たとえばPRGFといった自分の細胞が含まれているもの、かつ、白血球が含まれてない再生因子を混ぜた方が予後の経過も良いという報告もあります。
PRGFには白血球は含まれていませんので安心ですが、実際にPRGFを応用した骨造成を行った経験から、歯肉の治癒も早く、創部の裂開も少ないように思います。
骨を作る際に歯肉がカバーの役割をしますが、骨造成後に歯肉が裂開を起こしにくいということは、成功率の高さにもつながるわけです。
患者さんの口腔内の状態にもよりますが、インプラント治療における骨造成だけではなく、天然歯の骨欠損に対しても応用できます。
患者さん自身の血液から生成されるため、安全でありながら効果も高いので、当院では、これからもPRGFを併用した治療に取り組んでいこうと思っています。

■令和元年12月27日

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